今回はレビューではないんですが、先日に行われたナポリ対ユベントスの試合の補足的な内容になってます。
華麗なパスワークで相手を崩していくナポリを相手にユベントスはこの試合を完璧に守り切ったんで、そのシーンを一部切り取って、紹介していこうと思ってます。

で、サッカーを観戦している方も、ボールの動きばかりを目で追いかけるのではなく、ボールを持ってない選手の動きを注意しながら見ていると、また違った楽しみ方ができます。
何気ない動きの中にも重要な意味が隠れてたりするので、そういうのに気付いたりすると面白いです。
また、自分が応援しているチームの守備が「なんか最近安定してねえな~」とか思ったときに、その原因を発見するヒントになるかもしれませんw

って感じで、これから紹介していきますが、その前に、、、

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”ボールを奪う”と”ゴールを守る”は別物

見出しの通りなんですが、「ボールを奪う」=「ゴールを守る」っていう風に考えちゃうと、訳が分からなくなります。
要するに、”ゴールを守らなきゃいけない時”と、”ボールを奪いに行っていい時”っていうのが、守備の中では存在します。
実はここをしっかり線引きして、味方選手同士できっちり共有していないとチーム内の動きがバラバラになります。

基本的に守備っていうのは、「ゴールを守る」ことから始まります。
それで当たり前ですが、「ボールを奪い」に行くのは、自チームが”攻撃”をするためにやることです。
で、ボールを奪いに行こうとすれば当然リスクも発生するわけで、、、

ボールを奪うにはブロックの中から、選手1人(又は2人・3人と)が飛び出していく必要があります。
ってことは、飛び出したことによって、ブロックを作っている人数が減っちゃうわけですから、数的不利になるリスクや自陣内にスペースが生まれるというリスクが発生します。

それにボールを奪いに行くのに相手選手へアプローチするのは当然のことながら”走る”ことになり、スタミナを消耗します。
試合を通して、終始ボールを追いかけ続けるだけの体力があればいいんですが、なかなかそれは難しいです。

だから、”ボールを奪いに行く時”のリスクと”ゴールを守らなきゃいけない”状況っていうのをそれぞれ正確に判断する必要がありますし、チームの戦術っていうのはこの部分をしっかり分けて考えてあります。
1点をリードしている状況であれば、”ゴールを守る”方に比重が行くわけ(そうではないチームもあるが)だし、1点ビハインドでは”ボールを奪う”方に比重が行きます。

それで、ユベントスはこの辺りを(チーム全員が)しっかり認識していたので、そのシーンをピックアップしながら解説していきます。

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ボールの奪い方

ユベントスがボールを奪いに行ってるシーンです。
この時にナポリは自陣で、ビルドアップを開始しているところになります。
シチュエーション的には0-0で、試合が始まってしばらく経った状態。


ボールを持っているのが、ナポリのクリバリ。
パスの出し所を探しています。

それに対して、ディバラがアプローチ。
で、ユベントス中盤の選手の配置を見てもらいたいんですが、みんなボールサイドに寄ってます。

それで、この状況のユベントス的には相手のボールをサイドに追い込みたいところ。
つまり、ボールの取りドコロをサイドに限定していて、そこで囲い込みを狙ってます。
(だから、赤い線の方向に誘導したい)

ポイントになるのがイグアイン。
ナポリのクリバリはもっと広い逆サイドの右SBに展開するか、横パスで相方のCBに出したいところなんですが、、、
(白い線のように)
イグアインのポジショニングが絶妙で、クリバリから2人に対するパスコースを限定しています。


それで狙い通りにサイドにボールを誘導したところ。
この後、ドウグラス・コスタとディバラで挟み込みに行きます。

で、ナポリの中盤の選手が降りてきて、並行でボールを貰おうとしていますが、それに対してもユベントスの中盤の選手が狙っています。

まあ、この状況に関して言うと、ブロックを作ってスペースを消す、というよりは、マンツーマン気味で相手選手についてて、相手選手へ近い距離からインターセプトを狙っているのがミソです。
仮にここで空いてるスペースを使われて、相手にボールを展開されたとしても、相手の陣地深くなんで、そこまで脅威にはなりません。

ブロックを作るとき

それで逆にブロックを作る状況の説明です。
これはボールを奪う時とは逆に、自陣に押し込まれた時に構える守り方になります。
一応、この試合のシチュエーションとしては、ユベントスが先制して1点リードしている状態。


図を見てもらえたらわかりますけど、ユベントスのフィールドプレイヤー10人(左SBが入ってないけど)がボールサイドに対して非常にコンパクトに構えています。
それで、「ボールを奪う時」と同じくサイドにボールが流れていますが、これに対してアプローチに行くのは1人だけ。
ディバラと一緒に挟み込みに行ったりはしません。

今まで書いてきましたが、この時の考え方としては「ゴールを守ること」が優先順位の一番上にきます。
で、それを達成するためにブロックをコンパクトにして、右サイドと中央のスペースを圧縮しています。
ポイントは当然のことながら、味方選手同士の距離間とそれぞれの位置。
誰かがアプローチでずれた場合は代わりにそのスペースを誰かが埋めます。

それでナポリは左サイドでボールを持っていますが、逆サイドには広大なスペースがあります。
なので、大きく逆サイドへ展開することも可能なんですが、それをやるとそのままユベントスの守備ブロックが逆サイドへスライドしていきます。
こんな感じで、ボールを中央へ展開すれば、そのまま全体が中央へスライドします。

組織的な守備とか連動した守備とか言ってるのは、「まさにこれのこと」、と言っても間違いではありません。

相手陣内へ押し込んだ時

これは最後のシチュエーションです。
相手のGKがボールに絡むぐらい、相手陣地深くまで押し込んだ時にやる守り方。
この時もユベントスはリードしてましたが、その状況はあんまり関係ないですね。


ナポリのGKレイナがボールを持っているところです。
ユベントスの前線の選手がかなり前に行ってますよね。
それで、ナポリの選手に対してインターセプトを狙える距離にいます。
まあ、GKに対してはアプローチにいきませんので、「半分ボールを奪いに行ってる」状態ですかね。
(ちなみにナポリも同じようにしますが、ナポリはGKまでアプローチに行きます)

これホントはユベントスの最終ラインを見せたかったんですが、いろいろな都合で入りませんでした。
見えない部分でDFラインと中盤が相当短い距離で網を張ってるような感じで配置されてます。
まあ、そうやって構えていると赤丸のような広いスペースができてますが、それはあんまり関係ありません。

この状況で、あそこのスペースにナポリの選手がいたとしても、役に立たないからです。
GKレイナの位置から、赤丸のところを浮き球で狙ったとしても、中央にいるディバラあたりに引っかかります。
それにこの位置でボールロストすると失点する可能性がかなり高いので、そんな危険は冒せません。

試合運びがうまい

よく試合運びがうまいチームとかゲームをまとめられるチームとか、言われたりしますけど、そういうチームっていうのは、今まで書いた「ボールを奪う時」、「ブロックを作るとき」の使い分けがうまいチームになります。
単純に1点リードしてて、逃げ切りを図りたいときには、「ブロックを作るとき」に比重がかなりかかります。

当たり前なんですが、この部分がチームで共有できてないと、前線の選手はボールを奪いに、後ろの選手はブロックを作りに、みたいな感じになってしまい、チームの守備にスキができてしまいます。
まあ、よく日本代表がアジア最終予選で、先制しておきながら同点に追いつかれたりしてたのはこの部分も関係があると僕は考えています。

攻守にバランスの取れたいいチーム、試合運びがうまいチーム、っていうのは、ここの比重の動かし方がチーム全体として非常にうまいです。
それに意思疎通が満遍なくできており、連携もいいです。

日本人は協調性があるから、組織力とか連携は世界レベル、、、ってホントにそうですか???

世界トップレベルのチームに勝てないのはホントに「個の力」が原因でしょうか???

僕がこの記事で書いたことって、日本のチームはできてますか???

日本サッカー発展のために、やるべきことはたくさんありますよね。。。

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