17/18ヨーロッパリーグ決勝ラウンド4のファーストレグ、アーセナル 対 アトレティコ・マドリードのマッチレビューです。
アーセナルはベンゲルさんの退任(今シーズンいっぱい)を発表しました。
かなりの長期政権でしたが、この群雄割拠する欧州の舞台でこれだけ長い期間指揮を執り続けたのはすごいことですね。
サッカーの戦術は相手に対策されると全く機能しなくなったりしますし、同じチームで長い期間にわたり高い成績を残すのは予想以上に難しいはずです。
近年は成績不振で解任してほしい声がたくさん上がってましたが、これまでの実績を考えると”名将”なのは間違いありません。
まあ、ベンゲルさんのために一つぐらいタイトルを取りたいっていうのがアーセナルの選手たちの思いなんでしょうが、個人的にはアトレティコを応援してますw
というわけで、まずはフォーメーションから。
フォーメーション
アーセナルとアトレティコ・マドリードのフォーメーションです。
4-3-3対4-4-2の対決。
まあ、どちらもいつも通りの構えになってます。
最近チェフは調子が悪いからオスピナ使ったんですかね。
全体の印象と試合展開
試合は序盤からアーセナルが押し込む展開。
アトレティコのスタンスも関係してますけど、チームの特徴で考えるとこういう感じにはなります。
それでいきなりアトレティコはピンチを迎えることになります。
右サイドバックのブルサリコが2枚目のイエローカードで退場。
ちなみにそれが前半10分。
まあ、こうなるとアトレティコの目的はハッキリすることにはなるんですけど、退場する前とチームのスタンスはあんまり変わってなかった感じです。
とりあえず、レフェリングに関してはかなりシビアな雰囲気の試合にはなりました。
主審に文句を言いまくったシメオネ監督は退席処分となりましたし、その後のプレーでもファールをアピールするシーンが目立ってた感じです。
アーセナルはイケイケの時間が長ったですし、決定機はいっぱいあったんですがそこで先手を取ることはできず。
逆にアトレティコが上手いこと時間を使いながらアーセナルの勢いを消していった感じになって徐々に膠着していくようになります。
監督は熱くなってましたけど、選手たちは非常に冷静でした。
前半はこのまま0-0で折り返し。
で、後半もアーセナルの一方的な展開が続きます。
かなりアトレティコの壁は厚かったんですが、それを何とか掻い潜ってアーセナルが先手を取ることに。
ペナルティエリア内は相当埋められてたんですけど、左サイドからのクロスボールをラカゼットがヘディング。
これにはさすがのオブラクもセーブするのはムリでした。
ただ、失点したからといって、その後のアトレティコの守備は崩れなかったんですよね。
アーセナル的には一気に畳み込みたかったところでしょうけど、結局このあとゴールは生まれませんでした。
後半に入ってほぼ攻撃するシーンが無かったアトレティコなんですが、終盤に反撃することになります。
最終ラインからのフィードをグリーズマンが抜け出してそのままゴール。
アーセナル側の対応ミスもありましたけど、疲れた状況の中でよく決めたとは思いますね。
(ムスタフィは滑ってたけどw)
その後はスコアが動かず1-1で試合は終了。
アーセナルにとってはもったいない試合となりましたし、逆にアトレティコは貴重なアウェーゴールを取れていい結果となりましたね。
打っても打っても入らないアーセナル
アーセナルの試合は久ぶりに観てます。
立ち上がりからいい攻撃を展開できてましたし、相手が引いてたとはいえ、ボールを握って完全に主導権を握ってたと思います。
アトレティコが中央を絞ってスペースを消してくる守り方なんで、アーセナルとしてはサイドにボールを展開することが多くなってましたね。
ただ、決定機を多く作れていたのはショートカウンターからだったと思います。
アトレティコの後ろからの繋ぎをインターセプトしてさっさとフィニッシュまで持って行く感じでしたし、トランジション(切替)のところも良かったですね。
試合開始すぐから数的優位になりましたし、アーセナルの目的はどうやってゴールを奪うか?って感じにはなりました。
アトレティコは前線にガメロ1人残しているだけでしたし、それにはCB2枚がついとけば問題ありません。
だから、両サイドバックは常に高い位置を取ってたんですが、、、
そうやって攻撃に人数をかけたからといって効果的にフィニッシュまで持っていけるわけでもありませんし、”押し込まれた状況でのブロックの堅さ”はたぶんアトレティコが世界一なんで、普通に難しいところはありましたかね。
(本数は少ないですが、気を抜いてるとカウンターからやられちゃいそうになってましたし)
1点しか取れなかったのもある程度は仕方がなかったとしても、アウェーゴールを奪われてしまったのが次に響きそうです。
内容とか関係ないアトレティコ
格下相手ではハイプレスを仕掛けたりすることもあるアトレティコですが、アーセナルが相手なんで少し下がった位置でブロックを作って待ち構えるスタンスでした。
中盤の構成力が世界トップレベルであるアーセナルが相手ですし、アウェーの試合ってこともあってこういう戦い方になるのは仕方ないとは思います。
エジルに対してはマンツーマンで対応するっていう選択肢もあったかとは思いますけど、そういったことはせずにスタンダードなゾーンディフェンスでした。
まあ、アーセナルの前線や中盤の選手はコロコロポジションを入れ替えたりしますし、それにいちいちついていってたら中央にスペースが空くことになりますしね。
序盤から10人の戦いを強いられることになりましたし、アーセナルもビルドアップでミスすることが少ないんでかなりしんどい展開にはなったんですが、オブラクを筆頭に守備の集中は相変わらず高かったですな。
どれだけ押し込まれようとも、どれだけシュートを打たれようとも、失点さえしなければ問題ないわけですし。
あとは主審がカードを出しやすいって判断してからの、選手たちのファールのもらい方はエゲつなかったです。
まあ、時間稼ぎの意味合いもあったんでしょうが、非常に現実的というか、、、ここまでハッキリやってるとなんか面白かったです。
選手たちの認識も一致してたし、守備も最後まで集中が高かったし、ホントにこのチームはすごいですね。
試合結果
試合は1-1で引き分け。
アトレティコがよく追いつきましたよ。
得点者
後半16分 アーセナル:ラカゼット
後半37分 アトレティコ:グリーズマン
交代者
アーセナル
なし
アトレティコ
後半20分 ガメロ⇒ガビ
後半30分 コレア⇒サビッチ
後半40分 グリーズマン⇒トーレス
ハイライト
全体のハイライトです。
やっぱり代表が参考にすべきは
こういう雰囲気の試合ってかなり久しぶりに観た気がします。
アーセナル的には数的優位な状況が長かったんで大量得点を狙いたかったところですけど、ホントにオブラクの壁は強力でしたね。
それにアトレティコの選手たちはしたたかでした。
たぶん、11人でやってたとしても同じような戦い方にはなってたとは思いますけど、ホント効率的な試合だったと思います。
やっぱり日本代表が真似すべきはアトレティコの戦術ですね。
(誰も賛成してくれないとは思うけど)
これを高いレベルで真似できるようになったら、そうそう強豪国と対戦しても負けないようにはなると思うんですけど。
日本サッカーのベクトルがそっちに行かないかな~とは密かに祈ってるんですけど、まあ~しばらくは無理でしょうね。
(みんな攻撃の方が好きだろうし)
というわけで、また次回!!
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