ロシアW杯へ向けての強化試合である日本代表 対 スイス代表のマッチレビューです。
日本としては低調なパフォーマンスを晒してしまったガーナ戦の反省を活かして臨むこの試合。
相手はかなり格上のチームとなってますから、日本代表としてはどこまでいい戦いができるのか?っていうのがポイントになってきてましたね。
それで対戦相手のスイスはW杯でグループEに入っております。
実は初戦の相手は”最強のサッカー軍団”ブラジルでして、ホイホイ日本に負けている場合ではありません。
そもそもなんで日本と強化試合を組んだのか全くもって意味不明wなんですが、何かしらの狙いがあったんでしょうかね~
個人的には日本代表がどういう修正をしてきたのか?よりも、スイスがどういったサッカーを展開するのか?って方に興味がありました。
ブラジルとの初戦の結果次第ではロシアの舞台で躍進するチームかもしれませんし、今後も注目したいと思ってます。
そんなわけで試合を振り返ります。
まずはフォーメーションから。
フォーメーション
日本代表とスイス代表のフォーメーションです。
4-5-1と4-3-3ですかね。
周囲の予想通りに日本代表は4バック。
さらに本田のトップ下と原口・宇佐美の両ワイド、長谷部・大島のインテリオールも予想通り。
たぶん隠す気がもともとないんでしょうけど、これが本番にどう影響するかって感じですね。
気になるのは酒井宏樹です。
コンディションが良くないのか?スタメンに入ってません。
それで対戦相手のスイスはガチンコメンバーです。
多少テスト的な布陣で臨むかと思いきや、確実に日本をボコりに来てましたw
全体の印象と試合展開
基本的に前半はスイスがボールを持つ時間が長かったと思います。
かなり積極的な姿勢でしたし、守備のところから試合の主導権を握ろうとしてた感じです。
決定機やシュートチャンスもスイスの方が上回ってましたし、日本的としては守る時間が長くなりました。
それにボールを奪ってからの展開も遅く(序盤こそ早い攻撃ができてましたが)、結局相手にブロックを固められてから「どうやって攻めようか?」って感じにはなってましたね。
なんか監督が変わろうが、、、戦い方を変えようが、、、、こういった”よく見るシーン”っていうのはいつも訪れます。
たぶん、日本のクセなんでしょうけど「キレイなフィニッシュ」とか余計なことを考えずにさっさとシュートを打ってくれっていつも思ってます。
これは戦術とか戦い方うんぬんより、意識の問題でしょうし、そろそろ”不細工な戦い”っていうのを受け入れる必要があります。
それで試合は前半のうちにスイスが先制してます。
吉田が与えたPKですけど、エンボロのドリブルは強烈でしたね。
ただ、そもそもここに入るボールを制限できなかったことがきっかけでしたし、こんなシーンはコロンビア・セネガル相手でも再現する可能性が十分にあります。
それで後半は先制されたこともあってスイスに押し込まれる展開。
日本も相手に振り回されてしんどい守備が続いてた印象です。
途中選手交代がありましたけど、これは戦術的なものというよりかは選手を試す意味合いの方が強かったでしょうね。
で、後半途中から日本がボールを持てる時間が長くなっていきましたけど、これはスイスが戦い方を変えた影響です。
どれだけ押し込まれようがリトリートしてしっかりブロックを作ってたスイス相手に、日本としてはまともなフィニッシュに持って行くのもしんどかったですし、そもそもシュートも打てませんでした。
逆にコーナーキックのこぼれを奪われてからのカウンターから2失点目。
日本のモドりより相手のアガりの方が普通に速かったですし、やられても仕方がなかった気はしてます。
いずれにせよ、試合のまとめ方もチームの意思統一もスイスは優れてましたな。
ここぞの時の人数のかけ方は流石でしたし、ホントに日本は参考にすべきところが多かったチームでした。
試合結果
試合は0-2でスイスが勝利。
得点者
前半42分 スイス:ロドリゲス
後半37分 スイス:セフェロビッチ
交代者
日本
前半40分 大迫⇒武藤
後半11分 宇佐美⇒乾
高徳⇒宏樹
後半25分 大島⇒柴崎
後半31分 本田⇒香川
スイス
後半0分 アカンジ⇒エルベルディ
後半19分 フロイラー⇒ジェマイリ
ガブラノビッチ⇒セフェロビッチ
エンボロ⇒ツバー
後半28分 ロドリゲス⇒ムバンジェ
後半37分 シャキリ⇒ドルミッチ
日本代表
4バックに戻した日本代表。
基本的な守備の姿勢はガーナ戦とあんまり変わらない印象を持ちました。
(というより、ハリル時代に戻った)
大迫を前線に残した4-5-1の構えでしたけど、本田のポジショニングが相変わらず中途半端でした。
(それに本田は試合を通してパフォーマンスが悪かったです。あと大迫も)
相手のビルドアップが後ろ3枚だったんで、大迫一人だとフィードを制限できないんですよね。
だから、セオリー的に守備の時は本田を前に上げて4-4-2で構えたりするのがいいとは思いましたけど、チームの意識としてそういった動きはほとんどありませんでした。
(香川が入ってからそういう形は出てましたが)
たぶん本田はどっちかの相手ボランチを潰しに行こうとするポジショニングが多かったんですが、”ずっとマンツーマンでつくことに意味はありません”のでそこら辺はきっちり意思統一した方がいいです。
(潰したいボランチへのパスコースを制限しながらアプローチすることは可能ですので)
それでこの試合の感じは去年のE1サッカー選手権で韓国にやられてしまったやつに似てます。
相手のフィードを制限できずに両サイドのスペースを突かれたり。
逆にそっちを気にすれば中盤と最終ラインとのギャップを狙われたり。
それに単純なロングボールで危ないシーンが結構ありましたし、その辺の対応もいつもと変わらなかったですな。
ホントに監督が代わってもここの不安っていうのはいつまで経っても消えません。
だから、4-5-1(4-3-3)なんてやめとけって言ってるんですけどね。
スイス代表
日本のキックオフからものすごい勢いでプレッシャーをかけてたスイス。
たぶん日本が相手だから、、、というよりかは基本的にフラットな状態ではハイプレスを軸に戦うチームなんでしょうね。
それでビルドアップは結構両サイドバックが高めの位置を取ってました。
2CBのところにボランチの選手が下がってきてパスワークに絡んでいくのは最近ではよく見るやり方です。
全体的にジャカがボールを触ってからスイッチが入る感じでした。
彼はフィードで両サイドに捌けますし、中央が空いてたらそのまま縦パスも通せますんで、日本クラスの守備なら特に問題ありませんでしたかね。
それで守備の時は4-4-2に近い並びにしてたと思います。
先日のスペインと同じ感じでゾーンというよりかはマンマークに近い格好で守ってました。
まあ、リトリートした状態でもその守り方でスペインの攻撃を跳ね返してましたし、基本的には問題ないとは思いましたけど、ボールを奪われてからの寄せなんかは思ってたより”よくなかった”ですね。
それに両SBが高い位置を取る分、相手にボールを奪われて展開された時にはそのスペースが弱点となってました。
(序盤は日本もボールを展開できてたし)
ブラジルの高速カウンターを考えると結構危ない気もしますし、相当気になりましたが、そもそもその試合では戦い方自体を変えるかもしれませんね。
(ちなみに先制してからはビルドアップで両SBがあまり高い位置を取らなくなりました)
ハイライト
全体のハイライトです。
先制されたら終わり
なんか1点ビハインドの状況でどうやって追いつくか?ってことをちゃんと想定しておかなければならないってよく言われますけど、対戦相手のレベルを考えたら先制された時点で相当厳しいです。
日本がW杯の試合で逆転勝利をしたことは”一度もありません”し、引き分けになったのすら日韓の時のベルギー戦だけです。
だから、「先制されてからどうやって追いつくか」って悠長なことを考えてるヒマがあるなら、どうやって守り切るのかを考えた方が効率的です。
というより、現実的です。
ホントに日本代表は失点が多いです。
ここをなんとかしなきゃ、世界に勝てるわけがありません。
よく日本人は「相手選手をリスペクトしすぎる」って言われますけど、ホントにリスペクトしてるなら”まずは負けないこと”を考えなきゃおかしいんです。
なんでいきなり「勝てる」って思うんですかね。
まず「負けないように」なってから「勝てるように」なるんじゃないでしょうか。
なんかこの試合を観てたら、こういうことを考えちゃいましたね。
また次回!!
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