ある程度サッカーを経験されている方やサッカーファン歴が長い方なんかは聞いたことがあると思いますが、サッカーにおいて「2-0でリードしている状況は危険だ」ってよく言われます。

記憶に新しいのはこの前のロシアW杯。
日本代表は決勝トーナメントで優勝候補のベルギーと対戦していますが、その時の試合も日本が2-0でリードしている状況から最終的には2-3と逆転負けを喫しています。

まあ、日本がやられた試合なんかは結構わかりやすかったですね。
ただ、サッカーファン歴が浅い人なんかにはなんでそんな感じになってしまったのかちょっとわかりにくいところもあるかと思います。

というわけで、今回はそんな「2-0でリードしている状況」について書いていきます。
(なんで危険だって言われているのかこれでわかるはず)

相手の対応が変わる

相手チームに2点差以上ビハインドをつけられてしまうと、負けてる方のチームは相手ゴールめがけて”突撃”する選択をすることが多いです。
それまでガチガチの守備戦術を取っていたのに、2点先行されたことによってそれまでの戦い方を180度変えて突っ込んでいく、、、ってことは試合の中ではよくあります。

サッカーっていうスポーツは90分間の試合が終わった後に”総得点が多い方”が勝利します。
当然ですが相手チームより多くの点数を取る必要があるわけです。

ただ、サッカーはそもそも得点が入りにくいスポーツです。
それに試合中は攻撃と守備の両方をこなしていく必要があります。
どちらか一方を捨てて戦うなんてことは通常あり得ません。
常に攻撃と守備のバランスを考えながら試合を進めていかなければならない難しいスポーツなんです。

だからこそ”1ゴール”っていうのはどちらのチームにとってもかなり大きいものになります。
(「得点が入りにくくて守りやすい」のがサッカーの特徴でもあります)
得点を先行したチーム(リードしている方)はかなり試合運びがラクになりますし、先行された方(負けてる方)はそのまま試合が終わると負けてしまうという焦りが出てきます。

負けてる方からすれば「2-0」っていう状況はかなり危機的な状況(残り時間も関係しますが)です。
ただでさえ取るのがしんどい”1ゴール”を2回も成功させなければいけませんから、試合の戦い方そのものを変化させる必要が出てくるわけです。
チームの重心がより相手ゴールに向かうようになりますし、監督によっては守備の枚数を削ってより攻撃的な選手を投入することもあります。

そういった戦い方の変化はリードしている方からすれば意外と扱いが難しかったりもします。
それまでは自分達のボールに対してほとんどプレッシャーに来なかったのに、2-0になったとたん猛然とボールを奪いに突っ込んできたりするわけですから。

それにもしもそこでボールを相手に奪われてしまったなら、、、
今度はこれまでよりも多くの人数をかけて自分達のゴールに相手が突っ込んでくるわけですから、守備対応もかなり難しくなってしまいます。
(相手の攻撃人数が増えたからマークが足りなくなったとかね)

そんな感じでリードしている方からすれば、「相手チームが守備を捨てて突撃してくる」っていうのは結構厄介な状況でもあります。
もし仮にこの状態で負けている方が1点を返した場合(「2-1」の状況になってしまう)、、、
次のような現象が発生します。

イケイケモード

2ー0っていうわりと絶望的な点差の中、負けている方が1点を返すことでスタジアムにきているファンはかなり盛り上がります。
それに戦っている選手たちにも「あれ!?いけるんじゃねえ?」っていうポジティブな雰囲気が広がっていきます。

逆にリードしている方は「ヤバくねえか?」ってなってきますね。
あと1点の余裕しかないわけですから。
この状況で「まだ1点差ある」って考えるか「もう1点差しかない」って考えるかで、その後のプレーに結構影響が出てきてしまいますしね。
(判断ミスだったり、球際への寄せが甘くなったり、飛び込むのが怖くなったりもします)

それに相手がやってきた捨て身の攻撃をきっちり”跳ね返せなかったから”1点差になったわけですんで、そのままの守備対応を続けていたら、また失点してしまう可能性も十分にあります。
負けている方もそれがわかっているからそのままの戦い方を続けて(というよりもっと攻勢を強めて)もう1点を狙いに行こうとします。

ここまでくると同点にされてしまうのは時間の問題って感じでしょうかね。
その流れのまま行っちゃうと結構な確率で2-2になると思います。
(ちなみに同点になった後も攻め続けるかどうかはチームによって変わってきます)

実際にこういう試合を目の当たりにしてしまうと、確かに「2-0のリードって危険だな」って感じちゃいますよね。
こうやって同点にされてしまうぐらいだったら、むしろ1-0のリードのままの方が良かったんじゃないか?って考える人もいたりします。
最初から1点差だったら相手チームがそこまで捨て身の攻撃に出ない可能性もありますんでね。

って言っても、、、

それでも2-0が有利なのは変わらない

ここまで流れを追って長々と書いてきましたが、実は僕が言いたかったのはこれなんですw
世間で言われているほど、2-0ってスコアは危険ではありません。
だって上に書いた現象が起こるのは”ごく稀”だからです。

最初の場面(自分達が2-0でリードしている状況)で相手が捨て身で攻勢に出てきた時に、実はとどめの3点目をリードしている方が奪う事の方が多いんです。
または相手が捨て身で攻撃に来たけど守り切って2-0のまま試合が終わる、、、こっちのパターンも普通にあります。
(さらに1点返されても時間切れで2-1で試合終了ってことも全然ありますね)
だから、2ー0にしたチームの方が圧倒的に有利ですし、ほとんどの場合はそのまま勝っちゃいます。

2点差を跳ね返して同点に追いついたり、さらにはそこから3点目を取って逆転勝利したり。
そういった試合は非常にインパクトが強いですし、みんなの記憶に残りやすいです。
でも、実際はみんなの記憶に残らない2-0のまま終わる試合の方が圧倒的に多いです。

「1-0の方が良かった」って考えるのは結果論です。
1点リードしている状況で2点目を狙えるチャンスがあれば、どのチームでも当然2点目を狙います。
そこを放棄してあえて1-0のまま行こうとするチームなんて存在しません。
(あるとしたら八百長ぐらいかなw)

それではなぜ「2-0は危険」って言葉が言われ続けているのか?
これって”圧倒的有利な状況でも気を抜くな!”ってことが言いたいだけなんです。
人間余裕が生まれる(2点差っていう)と気が抜けてしまうことが多いですから。
(「余裕ぶっこいて調子に乗ってたら、1点返されてその後パニック状態になってしまった」っていうのが最悪のパターンですかねw)

サッカーの試合はメンタル面の影響が大きいです。
だからこそ試合が終了するまでは全く気を抜くことができません。
それに”2ゴール奪ったのに勝てなかった”っていうのはその後の精神的ダメージがかなり大きいです。
(2-0は勝てる試合というよりかは”勝たなきゃいけない試合”ですんでね)

日本代表がベルギー代表に「2-0は危険」を食らってしまったんですが、やっぱりこの試合は勝たなきゃいけなかったものだと今でも思います。
「2-0の状態から逆転されてしまったのは仕方なかった」っていう考えが出てしまうと、今後の代表強化につながりません。
そこは勘違いしてほしくないところです。

まあ、今後は逆に日本代表が2点ビハインドを跳ね返して逆転勝利する姿を観てみたいもんですな。