基本的にサッカーはボールを保持している方が有利ですし、うまいチームの方がポゼッションが上昇する傾向にあります。
とはいえ、それがそのまま勝敗を決める要因にはならないのがサッカーの面白いところですし、だからこそサッカーの戦術っていうのはここまで発達してきたわけです。
よくサッカーの試合で「主導権を握る」って言葉が解説で出てくると思います。
まあ、”ゲームをコントロールしてるであろうチーム”が主導権を握っている、、、こんな感じの意味合いにはなりますかね。
「全体的に押し込んでる」ってところも、主導権って言葉で表現したりもします。
というわけで、、、
今回はポゼッションと”主導権”の関係についていろいろと書いていきます。
まあ、ここがポイントになりますけど「ボールポゼッションの高いチームの方が主導権を握っている」とは必ずしも言えないのでそういう部分について僕の考えを書いていくかんじになります。
[cc id=613 title=”アドセンス2”]
有効なポゼッション
最初にも書きましたが、ボールポゼッションでどちらが主導権を握っているかは判断できません。
仮に自チームがボールをキープしていても、最終ラインや自陣内ででボールを回しているだけだとあまり意味はありません。
(相手にとって脅威にはなりません)
で、ポゼッションっていうのは最終ラインで横パスを展開している間もデータとして献上されてしまいます。
それではどちらチームがゲームのコントロールをしているのか?の判断が難しくなってきます。
結局、相手チームが嫌がるエリア、脅威に感じるエリア、でのボールポゼッションっていうのは重要になってきます。
(このエリアでのボール保持率を”有効なポゼッション”と言うことにします)
Aチームの方がボールポゼッションは高いけど、Bチームの方がゲームをコントロールしているように見えたりするのは、Aチームの「有効なポゼッション」が少ないためです。
(有効なポゼッションは具体的な数字が上がってこない)
結局、相手ゴールを脅かすためには有効エリアにボールを持ってこなければなりませんし、そこまでボールを運べないのであれば、そのチームの攻撃は機能していません。
それに、有効なエリアっていうのもチームによって変わってきます。
狭いチームもあれば、広いチームもあります。
ハーフェイラインを境に相手チームと自チームの陣地が変わりますが、ハーフェイラインを越えて相手陣地内に入ってすぐのところでボールを持っていたとしても、正直相手への脅威にはなりません。
相手の脅威っていうのは失点することです。
つまりは失点する可能性のあるエリアっていうのを考えないといけません。
そうなると、チームでのシュートレンジっていうのが一つの目安になるかとは思います。
まあ、ペナルティーエリアからバイタルエリアぐらいまでの範囲が一般的な感じですかね。
(下の図はイメージ)
主導権を取りにいくなら
主導権を取りにいくなら、有効エリアまでボールを運ぶ必要があります。
で、その時に自チームが「ボールを保持している・していない」ってことは正直あんまり関係ありません。
相手にボールを持たれていたとしても、自チームがプレッシングをかけ続けることによって、相手陣内の深い位置まで”ボールを下げさせる”ことに成功すれば、それは相手を押し込んでいることにもなるためです。
サッカーっていうスポーツは、攻撃と守備が連続しているので”ボールの所有権”っていうのが一気に入れ替わります。
押し込んだ時には相手ボールだったとしても、その位置で奪ってしまえば得点チャンスになります。
だからこそ、できるだけ長い時間の間、そのエリアにボールを閉じ込めておきたいわけです。
自陣からわざわざパスをつながなくても、相手からボールを奪うことによって有効なポゼッションが上がっていきます。
つまり、ハイプレスを主体にしているチームなら「いかに上手にパスを繋いでいくか?」を考えるより、「いかに効果的なプレッシングで相手ボールを奪えるか?」ということを考えた方が、主導権を取れる確率が上がってくるようになります。
もちろん、技術的にうまいチームはそんなこと考えずに、パスワークを駆使しながらそのまま相手陣内の有効エリアまでボールを運んでいけばいいんですけどね。
(主導権をとるのに”ボール保持”は必須ではない!ってことが言いたい感じです)
まあ、こんな感じでここまでポゼッションと主導権についていろいろと書いてはきましたけど、最後に伝えておきたいことがちょっとだけあります。
主導権を握っても、ゴールは遠い
それで有効エリアでボールを保持できるようになったら、チームとしては有利になるわけです。
相手も失点するわけにはいかないので、自分達のゴール前を固めようとしますし、いざボールを奪っても攻撃するのに時間がかかったりします。
ただ、主導権を握れたとしても結果に結びつかないことが多いのもまたサッカーなんです。
実際、今年のコンフェデレーションズカップでもそれを痛感する試合がありました。
グループリーグのドイツ対オーストラリアの試合です。
この試合はドイツが3-2でオーストラリアに勝ったんですが、内容というか試合展開的には五分の戦いだったと思ってます。
まあ、流れとしてはドイツが前半~後半の中頃まで、オーストラリアは後半の中頃~終了まで主導権を取ってた感じです。
ドイツはしっかり主導権を取っている間に得点を重ねていったんです。
じゃあ、オーストラリアの方は終盤に2点を返したのか?っていうとそうではありません。
なぜか、ドイツに押し込まれているときに2点を返し、そして、終盤にオーストラリアが主導権を握ってからは逆に得点が奪えなくなったしまった感じです。
リアルタイムで見ていた僕としては、すごい不思議な試合でした。
まあ、実力的にはドイツの方が強かったとはいえ、こんな展開になるとは思ってませんでしたし。
「優勢と勝利は似て非なるもの」とか言いますけど、”主導権を握ること”と”ゴールを奪うこと”も同じような関係なのかもしれませんね~
[cc id=284 title=”ブログ村”]