昨日の親善試合でマリ代表と対戦したハリルジャパンですが、全くもってインパクトのないゲームになっちゃいました。
今思えば、今回特別な組合せ(特に中盤の並び)で臨んだのも、”どうしても得点が欲しい場面”を想定したうえでのハリルさんの判断だったのかな?って、気はしてます。
まあ、システム的に良かったところもなかったですし、このままでW杯の本番で使えるのか?といえば、NOというしかありませんよね。
ただ、守備の時に4-4-2のゾーンブロックで構えていたのは個人的に悪くなかったと思いますし、もう少し改善すればセネガル相手でもやっていけるんじゃないかな~とも感じてます。
(というか、2トップやるなら岡崎を呼べばいいのに)
というわけで、今回の記事ではその点について書いていきます。
例のごとくサカレビでは守備の話ばかりなんですけど、パスワーク云々かんぬんって考える前に、まずは相手からボールを奪えないと話になりませんので。
それにW杯のグループリーグって、3試合すべて無失点だったら、1点取れば突破できるんですよ。
1勝2分の勝ち点”5”になって。
(まあ、現実的にそれは厳しいですけどね)
前にも書きましたけど、「サッカーは得点しにくくて守りやすい」スポーツです。
だからこそ、格下のチームが対戦相手に負けないようにするには”守備のところを考える”方が効率がいいわけです。
それにいい守備がいい攻撃に繋がる、、、こともあるわけなんで、ホントに重要なものなんです。
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ボールの取りドコロを決める
自分達が攻撃(パスワーク)を開始するためには、まずは相手からボールを奪う必要があります。
それに守備の時には「ゴールを守る」と「ボールを奪う」でやることが変わってきます。
基本的には失点しないようにゴールを守ることへの比重が高くなりますけど、チャンスがあれば相手のボールホルダーを潰しに行ったり、インターセプトを狙ったりしながらボールを奪いに行こうとします。
相手のミスプレー(パスミスとかシュートミス)があれば、それで自分達のボールにはなりますけど、攻撃のチャンスを増やしたいんであれば積極的に”ボールを奪いに行く”必要があります。
とはいえ、ボールを奪いに行くのも実はリスクを伴います(奪いに行ってカワされてしまうと数的不利になる)し、周りの選手との連携も必要となってきますので、あらかじめチーム内や監督の指示によって”ボールの取りドコロ”を設定しておく必要があります。
まあ、一般的な取りドコロっていうのはサイドが多くなってます。
(しかもできるだけ相手陣内の深い位置がいいです)
サイドに追い込めば、ピッチ中央に比べて相手選手の逃げ場はなくなります(タッチラインがありますので)からボールを奪える確率も上がりますし、囲い込みに行く人数も少なくて済むことにはなります。
たぶん、日本代表もボールの取りドコロはサイドに設定してたと思ってます。
ただ、そこの動きに関して連動したところや正しい判断ができていたかというと正直いって微妙でした。
そんなわけで、これからその問題のシーンをピックアップしてます。
1点ビハインドの状況で
日本は前半にマリ代表に先制されたことで追いかける立場になってます。
フラットな状態に比べると”より積極的にボールを奪いに行く”必要がありましたし、実際その姿勢は見せてたと思ってます。
とはいえ、効果的に相手ボールをサイドへ追い込めていたのか?というとそうでもありませんでしたし、なかなか相手ボールを奪ってカウンターを展開する場面も少なかったでした。
個人的に1番印象的だったのがこの場面です。
これは後半始まってすぐのシーン。
槙野が自陣からおもろいロングボールを蹴って相手GKが拾い、それをマリのCBに展開した瞬間です。
このCBからすると、考えられるパスコースは水色の線で描いたところになるかと思います。
そのボールホルダーに対して、森岡がアプローチ。
久保はサイドの選手をケアしてますし、大迫がGKと右CBと右SBの選手をケア(パスコースを限定してる)、森岡も中央へのパスコースを限定しながら寄せてますので、ここのシーンに関してはいい陣形を作れてたと思います。
それで問題だったのはその後のシーンになってます。
マリのCBは結局サイドに展開してます。
普通に久保が近くにいたにも関わらず、そこにパスを狙ってくるなんて結構雑なパスワークだったんですが、このパスはギリギリ通ることになりました。
ボールを持ってる相手のSBからすると、タッチラインに追い込まれてますし、久保が迫ってるので縦へのコースはありません。
それに森岡がいるからなかなかバックパスも狙えませんし、近くに(たぶん)山口蛍が迫ってきている状態です。
パスコース的には中央へ通すしかない状態になってますけど、実際のところは結構追い込まれてます。
それで次のシーン。
久保の寄せ方がうまかったのか、まだマリのSBの選手はボールを持ったまま粘っている状態です。
ただ、この後またまたギリギリのパスを最初にパスを出してきた左のCBに返し、そのCBがロングボールを蹴ってこの局面を逃れることになってます。
この一連の流れの中で、日本代表がボールを奪えるチャンスがあったんですけど、実際はそれを逃す結果となってます。
相手ボールをサイドに追い込んでから、このシーンになるまで1~2秒くらいなんですけど、問題になってくるのは森岡と山口のポジショニングでした。
というより、久保・森岡・山口って3人いるわけなんで、その3人でボールを奪いに行けばよかったんですよ。
仮に相手の身体能力が高くてボールを奪いきれなかったとしても、相手陣内の深い位置だったんで日本代表としてはリスクがそこまでありませんでしたし、逆にこの位置でボールを奪うことができれば中央にスペースもありショートカウンターの大チャンスでした。
しかし、実際のプレーでは森岡は寄せず、山口は終始マークしている選手を気にしていたわけです。
2人とも相手選手を気にしてたからこういったプレーをしてしまったんですが、この局面においてはマークなんか捨てても良かったんですよね。
そもそも相手のボールホルダーがフリーでボールを出せる状態では無かったですし、自分が気にしている選手へのパスコースを切りながら寄せに行くことも可能でしたし、ここは非常にもったいないプレーをやってしまってたなっていう印象でした。
(ちなみにこれまで書いた流れっていうのはゾーンディフェンスの基本になってきます)
カウンターは生命線
昨日の記事でも書きましたが、パスワーク考えてる暇があったらこのシーンのようなことを減らせるように、プレッシングの精度を上げていく必要があります。
今回取り上げたシーンはW杯の本番でも間違いなくあるシチュエーションですし、ここでカウンターできるチャンスを増やせないと正直しんどくなっちゃいます。
試合を観てる方としては”華麗なパスワーク”で相手を崩してゴールを奪うシーンを見てみたいものですけど、実際のところその攻撃の仕方っていうのはサッカーにおいては非効率的なんですよね。
やっぱりいつの時代でもショートカウンターは大チャンスですし、格下のチームはそこから活路を見出すべきだと思ってます。
まあ、W杯本番までにこの記事で取り上げたところが少しぐらい改善しているといいですけどね~
というわけで、また次回!!
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