17/18チャンピオンズリーグのグループF第5節のナポリ対シャフタールのマッチレビューです。
ナポリがホームの試合ですが、ここで勝てないとグループステージ敗退が決定する一戦でした。
相手のシャフタールはかなりマイナーなチームですが、ブラジルのやっかいな若手を揃えていて、今大会のダークホース的な存在。
ナポリはリーグ戦無敗と強さを見せつけてはいますが、未だチャンピオンズリーグでは不調です。
とはいえ、ここの大事な一戦はしっかり勝ってきましたね。
(もう一回勝たないといけないけど、、、)
ということで、試合を振り返っていきます。
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フォーメーション
ナポリとシャフタールのフォーメーションです。
ナポリは中盤をターンオーバーしてます。
シャフタールはガチンコだと思います。
試合情報
試合は3-0でナポリの勝利です。
得点者
後半11分 ナポリ:インシーニェ
後半36分 ナポリ:ジェリンスキ
後半38分 ナポリ:メルテンス
交代者
ナポリ
後半20分 インシーニェ⇒アラン
後半32分 ハムシク⇒ログ
後半41分 ジェリンスキ⇒ルイ
シャフタール
後半25分 ステパネンコ⇒パトリック
後半34分 マルロス⇒ボンフィム
ハイライト
全体のハイライトです。
全体の印象
立ち上がりから両チームとも比重が前になってるんで、結構早い展開でした。
前半はスコアが動かなかったんですが決定機だったり、決定機になりそうな場面が多々ありましたね。
(ハイライトにはほとんど入ってないけど、、、)
流れ的にも五分で、お互いにいいところを出せてていい戦いだったと思います。
オフサイドぎりぎりの飛び出しをお互いに狙ったり、それに合わせたブロックの作り方も面白かったです。
というか、シャフタールが思った通り強かったですね~
チームの完成度も高いし、いいタレントも揃ってるし、監督が変わってからかなり戦い方を変えてきたらしいんですが、それにしてもいいチームだ。
後半も変わらず、かなり早い展開で”実況も追いつかない”ぐらい攻撃が速かったです。
(特にシャフタール)
それで、後半に入ってしばらくしてスコアが動いてます。
どっちが点を取ってもおかしくない感じだったですけどね、、、
まあ、あのインシーニェのシュートにはビビりました。
それで点が必要になったシャフタールが”より前に”比重をかけるようになったんで、試合がもっと早い展開に。
ナポリ的にはそこをしのいで、終盤に2点目を取ったのが非常に大きかったですね。
立て続けに3点目も取ってますが、これで勝負が決まった感じ。
ということで、チームの印象。
ナポリ
ナポリは中盤の選手を入れ替えてますが、守り方は変わりません。
ボール中心に動きます。
当たり前ですが、まず気にするのはボールの位置、その次は味方の位置になります。
で、ポイントとして相手選手の位置は関係ありません。
個人レベルでみると自分のゾーンに入った相手選手はもちろんチェックはするんですけど、チームの動きとしては相手選手の配置は基本的に関係ありません。
で、特殊なのがインシーニェの動き。
相手GKがボールを持った時に相手のSBとCBのところを一人でケアします。
まあ、カバーするゾーンが他の選手より広いんですよね。
それで、後はシャフタールのGKがビルドアップへ参加できないように、メルテンスがパスコースを切りながらかなり速いアプローチに行ってたのが面白かったかな。
結局それで、GKはロングフィードするしかないんですが、そのボールに対してはDFラインと中盤ラインをかなりコンパクトにして対応。
だから、GKに蹴らせておいて、後ろの網で引っかける感じ。
左で作って右で仕留める
以前、ナポリのレビューで説明したやつ。
ハムシクを起点にインシーニェを使って、逆サイドのカジェホンに合わせる形です。
この試合でも相当やってたんで、今回はキャプチャで解説します。
まずこれ。
見たらわかるんですが、ハムシクにボールがきた瞬間にインシーニェが走り出してます。
(ナポリの試合はこんなシーンがいっぱいある)
で、シャフタールの最終ラインがキレイにフラットになってますよね。
それでいて選手同士の距離間も狭いので、コンパクトになってます。
インシーニェの動きって、そのブロックの外を狙っていく動きになります。
まあ、こうやってコンパクトな守備ブロックを敷いてくるチームに対しては、こうやってサイドのスペースで揺さぶりをかけるんですけどね。
後は、カジェホンもインシーニェの動きに合わせて動いていきます。
それで、インシーニェがキープして中へ切れ込んだところ。
ここから逆サイドのカジェホンを狙います。
で、そのボールに対してカジェホンがそのままシュートしてもいいし、中央へ走りこんでるメルテンスに合わせてもいいです。
ポイントはほとんどの部分で、ブロックの外を使っていることです。
最初のインシーニェの動きも、カジェホンに合わせるところも、守備ブロックの外側から。
これはDF側からすると対応が難しいです。
例えば、マンマーク気味にカジェホンとかインシーニェを初めからケアしようとすると、DFラインが横に伸びてしまいます。
すると、今度は逆にそのDFラインのスキマを狙われるようになるわけです。
まあ、この試合ではこの形でゴールは奪ってませんが、ナポリの攻撃の質が高いのはこういうところにあるっていうのを知ってもらいたいです。
シャフタール
それでシャフタールの印象。
ナポリもボールサイドにかなりコンパクトにブロックを作ってプレッシングするんですが、その部分ではシャフタールも同じような守り方をしてましたね。
ボールホルダーへのアプローチの仕方、選手のポジショニングなんかも似てます。
たまにマンマークでついていくこともあったんで、まったく同じわけではないんですが、守り方の見た目はホントに似てます。
中盤はフラットにしないで、ジグザグに選手を配置してましたね。
選手同士の位置関係もよくて、DFラインもきっちり揃ってて、連携もいい。
効率的にオフサイドを取れてたし、出足もよくてインターセプトできてたんで、序盤からナポリは苦しんでましたね。
そういう守り方もあって、攻撃の時はどうしても狭いエリアから始まっていくんですが、選手個々のポテンシャルが高くて、パスワークでもパスミスがなく、ボールロストしなかったんですよね。
特に前線のマルロス、ベルナールってのは、ビッグクラブが注目するほどのパフォーマンスを見せてました。
(恐ろしいことに2人ともブラジル人)
連続失点もあって、終盤は足が止まってましたけど、この辺は仕方ないですかね。
この試合は負けてしまいましたが、シティのペップが警戒してた理由がよくわかる内容だったかなと。
それにしても、このグループは面白くなったな。
まとめ
昔からピッチは広く使えって言われて育ってきましたが、この試合を観てると「そうでもねえな」って思えちゃいます。
両チームとも布陣がコンパクトに保たれていて、ボールに対して”閉じた空間”を作ろうとします。
だから、ピッチの縦半分と横半分で攻防が繰り広げられてる感じ。
(逆サイドの広大なスペースは、”死んだスペース”っていうらしい)
こういう試合って、日本サッカー界に大いに参考になると思うんやけど。
悲しいかな、、、
どうせ、コアなサッカーファンしか観ないよね~
ホント、常々思うけど、サッカーってポジショニングのスポーツなんだ。
やっぱりここを研究することが強いチーム作るヒントになるわな。
「ハリルさん聞こえますかー?」
ということでまた次回!!
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