【戦術】南米サッカーとヨーロッパサッカーの違い

【戦術】南米サッカーとヨーロッパサッカーの違い


以前「FOOT×BRAIN」というサッカー情報番組を視聴したときに、元日本代表の都並さんが「南米とヨーロッパサッカーの違い」をテーマにわかりやすく説明していました。
人種や文化も違えばサッカーに対する考え方なんかも違ってきますし、国によって多種多様な戦術や戦略を用いることになるのがサッカーというスポーツです。

なかなか一つ一つの国のサッカーを分析するのは骨が折れる作業なんですが、それでも大陸ごとでもサッカーの特徴を分類することは可能です。
今回は僕自身の見解も含めて「南米サッカーとヨーロッパサッカーの違い」を説明していきます。
これを把握しておくと、国際試合とかの見方が変わりますし、サッカー観戦がより面白くなると思います。

個人と組織


まず、南米サッカー(特にブラジル)の特徴として、サッカーではよく言われる「個の力」のように個人技で相手を翻弄する技術が磨かれた選手がたくさん揃っています。
攻撃の局面においては”組織だって”相手の守備を崩していこうとするよりかは、そういった選手たちの秀でた個人の力でなんとか局面を打開しようとする傾向がありますし、実際にそれで攻撃が完結してしまう場面が多いです。

一方、ヨーロッパサッカーは南米サッカーとは真逆であり、攻撃の局面でも「組織」の力で相手を崩していこうという考え方が基本的にあります。
もちろん局面によっては1対1の勝負を積極的に仕掛ける場面にも遭遇しますが、基本的には相手より数的優位な状況をいかに作るか?という部分に力がそそられます。

つまり、

  • 個人技の南米
  • チームワークの欧州
  • という風に大まかに分類することが可能です。

    必ずしもすべての国がそういう風に分類できるわけではありませんが、それぞれ(南米とヨーロッパ)のチームを分析するときのとっかかりにはなります。
    昔から南米の「個の力」にヨーロッパの「組織力」でどう対抗するのか?というのが、W杯などの見どころとなっておりましたし、各国のファンがサッカーを楽しむポイントになってましたしね。

    日本サッカーの分類


    ちなみに日本サッカーの特徴はヨーロッパに近いと言っていいでしょう。
    日本サッカー発展の陰にはドイツのサッカー論をかなり影響されていたと考えられておりますし、実際にプロリーグ(Jリーグ)の創設にはブンデスリーガを参考にしたといわれています。
    (日本サッカーの父と呼ばれるクラマーもドイツ人ですね)

    日本はサッカー後進国だったのでサッカー界を盛り上げていくにはどこかの国をお手本とし、追いつけ・追い越せでやっていくしかなかったわけです。
    もちろんサッカー界を盛り上げるためには”サッカーそのもの”も強化していくことが重要です。
    そして、その中で目を付けたのがドイツに代表されるヨーロッパの考え方になります。

    というより、南米のサッカーはマネしようと思ってもなかなkマネできるものではありません。
    個人のテクニックって一朝一夕で得られるものではなく、例えば、

  • 育成年代に対してどういう教育をしているのか?
  • 普段からどういった練習をしているのか?
  • そして優秀な指導者をどう育てるのか?
  • など、選手の素質以外にも大事になってくる要因はたくさんあります。

    ヨーロッパの組織的なサッカーを導入すると言ってもそういったテクニック的な部分の強化も必要です。
    ただ、なかなか効果を把握するのに時間がかかりますし、まずは指導者が育たないと始まらない部分でもありますので実はかなり難しい問題なのです。

    ちなみに日本人と南米の人たちは考え方の特徴も違い(脳の構造も違うみたい)ますから、同じ育成・練習方法を試してもそのまま効果が出るのかどうかわかりません。
    日本人は根本的に「リスク回避」型の思考回路を持っているので、そもそもリスクを取って”個人技で仕掛ける”なんて選択をしにくいみたいです。
    *「失敗すること」にストレスを感じてしまい、失敗しないことを選択しやくなっています。
    逆に南米の人たちは「リスク選好」型の思考回路を持っているので、日本人とは真逆に「チャレンジ」しないとストレスが溜まります。

    こういった事情も影響していたのかどうかははっきりとわかりませんが、比較的導入しやすかったのが南米よりヨーロッパのシステムだったんでしょう。

    組織は結果が出やすい


    サッカーは相手があるスポーツなので対戦相手によっても試合結果や内容が変わってきたりします。
    結局「個人」と「組織」どっちのやり方が正解なのか?っていうのは誰にもわかりません。
    それでも組織的に戦う方が”個人技を磨いて何とかしようとする”戦い方より比較的簡単であることはこれまで書いてきました。

    そして、組織的な部分に頼った戦い方っていうのはそれがうまくハマったかどうかの結果がわかりやすいことが多いです。
    もちろん組織で動くための練習はかなり必要ですし、戦術そのものや監督の戦略を理解することが重要になってきます。
    個人戦術のレベルが低いチームなんかは戦術の浸透に時間がかかることもありますが、優秀な選手を一から育てる十数年を考えば、より現実的な方法になります。

    実際に日本に限らずサッカー後進国はこぞってヨーロッパサッカーの考え方を導入しています。
    逆に南米サッカーの考え方を導入して”成功した国”なんてものを聞いたことがありません。
    今や南米の国ですらヨーロッパサッカーを導入しているところが出てきているぐらいですからね。

    ヨーロッパは積極的な守備


    ここからは少し具体的な話になってきます。

    ヨーロッパの守備の考え方は基本的にラインを高く保つことがコンセプトにあります。
    ディフェンスラインを高く保つことで積極的にオフサイドを狙いたいわけです。
    また、フォワードの選手が守備でボールを追いかけても、ラインを高く保つことによってチーム全体としてコンパクトにまとまることができます。
    全体をコンパクトにしているので人数をかけて相手選手にプレスをかけることができますし、個人技が不足しているところも人数でカバーすることが可能です。
    さらに全体的に高めの位置を取っているので、相手ゴールに近いところでボールをとる機会が多くなりショートカウンターも狙えます。

    基本的に「ゴールを守ること」よりも「相手からボールを奪うこと」に比重を置いています。
    そのため、ヨーロッパの守備組織はかなり積極的な(攻撃的な)守備であると言えます。
    ただ、そういった構え方をすることによってディフェンスラインの背後には大きなスペースが生まれてしまいます。

    一方、南米サッカーはヨーロッパと真逆です。
    ディフェンスラインは低く設定されます。
    背後のスペースをなくし「ゴールを守ること」を優先します。
    そのため、フォワードが高い位置から積極的にボールを追いかけることはあまりなく、ある程度相手が攻め込んできてからプレスをかけるようになるのがほとんどです。
    また「リベロ(自陣ゴール前で自由に守備をする選手、ディフェンスラインのすぐ後ろに控えていて、カバーリングに入ることが多い)」なんかは南米のスタイルで使われることが多いです。

    リベロ

    南米の攻撃は積極的


    守備の時とは全く変わって南米の攻撃は積極的です。
    基本的にかなり無理をしてでも縦パスを狙います。

    これまでも書いてきましたが南米の選手には優れた個人技があるので、無理に縦パスを狙いボールを受けた選手が相手ディフェンスに囲まれてしまっても、なんとかボールをキープすることができます。
    それによって相手が密集してくると、サイドにスペースができるのでそこからサイドに展開することも可能です。
    (守備側からすればサイドを気にしていると中央の寄せが甘くなり、そのまま中央突破されることになったりしますから)

    サイド攻撃をする時も基本的に深い位置からしかクロスを上げません。
    よくブラジルの試合なんかを観ていると、サイドでボールをキープした選手がサイドをえぐってペナルティーエリアまで侵入するっていうシーンをよく見ます。
    サイドの選手がえぐってくる間に真ん中の選手がペナルティーエリアに侵入して、マイナスのクロスに合わせてゴールっていうのは南米サッカーの得点パターンになってきます。

    サイド攻撃

    一方、ヨーロッパの攻撃はまったくの逆で無理に縦パスを狙うことは基本的に少ないです。
    割とスペースがあるサイドを起点に攻撃を組み立てることが多くなります。
    サイドの選手がボールをキープしたら、周りの選手が押し上げてきてフォローに入ったり、そこからワンツーを織り交ぜながら相手を崩していく、、、みたいな感じが多いですかね。

    それにディフェンスラインの背後にスペースがあるときは、GKとDFラインの間を狙ったアーリークロスを積極的に使いますし、サイドをドリブルでエグっていくような場面っていうのはあまりありません。
    南米の攻撃から考えるとヨーロッパの攻撃はかなり消極的です。
    無理にボールを失いかねないチャレンジはあまりやらない傾向にあります。

    そんなわけで、

  • 南米サッカーは攻撃でリスクを取るが、守備ではリスクを冒さない
  • 欧州サッカーは攻撃でリスクを冒さないが、守備ではリスクを取る
  • という分類をすることができます。

    現代サッカー


    これまで南米とヨーロッパの違いについて書いてきましたが、実はこれらの特徴が当てはまっていたのはすでに過去の話となります。

    現代サッカーにおいてはもはや南米(個人)とヨーロッパ(組織)の垣根がほとんど無くなってきています。
    南米のチームはヨーロッパのサッカーの考え方を導入したり、ヨーロッパのチームでは個々人のサッカースキルがかなり高くなっています。

    今となっては”組織で戦う”のは当たり前で、その中でどれだけ優秀なタレントを揃えることができるのか?というのが、各国のサッカーレベルを表す指標になっています。
    いつ頃からか日本でも「個の力」を上げる必要があると言われるようになりましたが、それは日本という国だけではなくどの国でも同じになってきているわけです。

    これからサッカーがどういう進化を遂げていくのかはわかりませんが、変化そのものを楽しむことも可能です。
    日本サッカーの発展も個人的にはかなり重要ですが、世界に目を向けることでよりサッカーが楽しくなりますね。

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