シメオネとクロップって、全く共通点がないように見えますが、実はそうでもありません。
シメオネ監督が率いるアトレティコ・マドリードの採用している戦い方は「堅守速攻」です。
で、クロップ監督がドルトムント時代から実践している戦術が「ゲーゲンプレス」になります。
(戦術というよりは考え方に近いですけどね。)

まあ、実は両方ともプレッシング理論が派生したものになってます。
ちなみにシティを率いているグアルディオラ監督はまったく違う戦術をとっています。
(あちらはポゼッションがコンセプトにあるので)

場所が違うだけ

ともにプレッシング理論から派生したにもかかわらず、全く別の見方をされている「堅守速攻」と「ゲーゲンプレス」。
実はプレスをかける考え方はほぼ同じなんです。
ただ、守備ブロックが、”前方”に位置しているのか、”後方”に位置しているのか、の違いだけです。

相手ゴールまでの距離が違うので、攻撃の部分では異なった展開になりますが、相手からボールを奪う(プレッシング)考え方はほぼ同じです。
まあ、これだけだとなかなかわかりにくいと思いますので、まずは「ゲーゲンプレス」について説明していきます。


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ゲーゲンプレスとは何ぞや?

まあ、単なるプレッシングだったら、わざわざ「ゲーゲン」とかつけません。
「ゲーゲンプレス」ってわかるように書くと、「反カウンター」とかそういうイメージですね。

もうちょっと具体的に言うと、「自チームがカウンターを受けているときに」相手にかけるプレスってことになります。
クロップがドルトムント時代にはこの考え方がハマって、マイスターシャーレを取っています。
それで有名になった戦術です。

攻守の切替

サッカーって「攻守の切替時間」がものすごく重要です。
それが速いか遅いかで、得点する・失点することになったりします。
現代サッカーの得点の多くは「相手からボールを奪って10秒以内」に決まるゴールです。

相手が前がかりになればなるほど、守備をするときの対応が遅れますので、攻撃するチャンスになります。
ただ、今となっては、カウンター戦術っていうのはどのチームにも浸透していて、どのチームでも効果的にカウンターを狙えるようになっています。
そんな中で求められるようになってきたのは、「自チームがカウンターを受けたときにいかにして守るか?」ということです。
その部分を試行錯誤して生まれたのが、ゲーゲンプレスです。

相手がカウンターをかけるときこそ最大のチャンス

話がそれましたが、ゲーゲンプレスっていうのは、カウンターに対するカウンター戦術になります。
相手がボールを奪い、カウンターを仕掛けようと思った瞬間に自チームがボールを奪うことができれば、より効果的な攻撃を仕掛けることができます。

カウンターではなく、ビルドアップの時は攻撃をしていても守備のことを意識しています。
でも、カウンターを仕掛けようとするタイミングでは、早く攻撃することに意識がいってしまうので、全員の意識が前に向き、守備ブロックを解いて、スペースが空いてしまいます。
だから、相手チームが前に向かって走り出そうとしているので、そのタイミングで奪うことができれば、完全に相手の逆を突くことになります。

で、これを戦術として機能させようと思うと、ラインを高く保ちながら、全体を非常にコンパクトにする必要があります。
なにせ、セカンドボールを全部拾うぐらいの勢いとタイミングが重要になってくるで、ボールの動きに対して、全体が連動しながらシフトしていく必要があります。

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シメオネの戦術

で、一方のシメオネの戦術といえば、アトレティコで用いている堅守速攻です。
ちなみにこれはレアルやバルセロナに対抗するための戦術であるともいえます。

高いインテンシティ(激しさ、強烈さ、真剣さ)を求める戦術であり、さながら「アンチフットボール」ですね。
アルゼンチン人であるシメオネ自身が勝負に対するこだわりがすごく、「魅せる」よりも「勝つ」ことにこだわる代表的な監督です。

ただ、守備ブロックの作り方に関しては今までに書いたゲーゲンプレスと非常に似たものになります。
シメオネの場合はディフェンスラインを低く設定しつつ、非常にコンパクトに守備ブロックを形成します。
守備ブロックのコンパクトさではほとんど同じですし、ボールに合わせてスライドしていくのも全く同じです。

だから、以前の記事リバプール対アトレティコで書いた時のように、似た陣形を取るので、戦った場合には膠着しやすくなります。

こういう風に知識として、戦術のことを理解していると、サッカーの試合がまた違って見えてきます。
で、最後に、、、

日本はプレッシングにこだわれ!

現在サッカーの主流はプレッシング理論です。
いかにボールを繋ぐか?よりもいかにボールを奪うか?を考えている戦術家の方が圧倒的に多いのです。

そんな中、日本代表の試合とかで解説を聞いていると、言ってるのは「どうやってボールを回すのか、どうやって展開するのか、どうやってシュートまでもっていくのか」こういうことばかりです。
これが悪いことではありませんが、世界は「どうやってプレッシングをかけるのか」を考えているときに、上記のことを考えていても、焦点がずれているようにしか思えません。

案外、世界との差が縮まらないのは、こういう部分に原因があるのではないかと考える今日この頃でした、、、

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