今なお現役で世界有数の監督として有名なカルロ・アンチェロッティ。

彼はレッジーナで監督キャリアをスタートさせ、ユベントス⇒パルマ⇒ACミラン⇒チェルシー⇒パリサンジェルマン⇒レアル・マドリード⇒バイエルン・ミュンヘンと長きにわたって第一線で活躍しています。

その間にチャンピオンズリーグ制覇が3回、リーグ優勝は4回と素晴らしい成績を収めています。

現在はセリエAのナポリを指揮しているアンチェロッティ監督ですが、この記事ではアンチェロッティ監督のサッカー哲学や個人的に印象深かったACミラン時代の戦術を紹介しています。

アンチェロッティのサッカー哲学


彼は現役時代のACミランでアリゴサッキのもとでプレーしています。

ACミランを復活させたサッキのプレッシング理論は当時選手だったアンチェロッティにも影響を与え、その後の監督キャリアの大きな手助けをしています。

アンチェロッティが現役を退いてからはイタリア代表の監督をしていたサッキのもとでアシスタントコーチをやっていたぐらいですし、「彼のもとで働いた経験がかなり活きた」っていうのはアンチェロッティ本人も書籍の中で触れています。

アンチェロッティはグアルディオラやモウリーニョと違って、あまり戦術面がピックアップされる監督ではありません。

自分のサッカー戦術をチームに浸透させることよりも、”クラブの意向”を最大限に尊重することが彼の特徴でもあります。

クラブ側が攻撃的なチームを作りたいといえば、全力で攻撃的なチームを作ろうとしますし、ある選手を中心に戦いたいと言われれば、その選手が最大限機能する戦術を考えだします。

監督という立場からすればクラブ(オーナー)の意向は社長命令と同じです。

その社長命令を形あるものに作り上げるのが自分の仕事なんだということを、常に意識して監督業をやっていたのがアンチェロッティという人物になります。

アンチェロッティがすごいのはそういった上からの要求(プレッシャー)がありながらも、選手たちのマネジメントをしっかりやっていたことになります。

外部からの声(メディアやクラブの圧力)が選手たちに影響を与えないように配慮したり、アンチェロッティと選手たちの信頼関係がより強くなるようにコミュニケーションを重視したり。

たぶん普通にビジネスマンとしてでも成功してたであろうリーダーシップを兼ね備えていて、かつサッカーに対しては非常に柔軟であり、選手たちのパフォーマンスを最大限に引き出すことを常に考えて結果を残しています。

アンチェロッティのサッカー哲学とは「選手たちそのもの」です。

自分のサッカー戦術を当てはめるようなことはほとんどやらず、既存のシステムを引き継ぎながら、必要がある場所だけ徐々に変更を加えていくのがアンチェロッティのチーム作りだと言えます。

そして、アンチェロッティと選手たちの関係は非常に良好です。

アンチェロッティがバイエルンを率いていた時、チャンピオンズリーグでパリサンジェルマンと戦う試合があったんですが、試合前に(敵同士であるにもかかわらず)アンチェロッティとPSGの選手たちが笑顔で会話するシーンを見たときに「すごいな!」と思ったのを今でも鮮明に覚えています。

ACミランでの戦術


僕が今までのサッカーチームで一番好きだったのが、アンチェロッティ監督時代のACミランです。

なんで好きになったのか理由は憶えていませんが、とりあえず強くてカッコいいチームだったのは間違いありません。

アンチェロッティ監督のキャリアの中では一番長かったのがACミラン時代だったんですが、この当時画期的だったのはもともと司令塔タイプだったピルロをアンカー起用したことにあります。


トップ下のポジションにはカカやルイコスタがいたため、出番のなかったピルロにアンチェロッティ監督が提案したのがアンカーポジションでの起用です。

もしこの時ピルロが拒否していればこのシステムは存在しなかったとアンチェロッティは著書で触れていますが、このシステムはホントに画期的なものでした。

通常CBの前には守備的な選手を配置することがセオリーだった流れの中、守備力が低いピルロをその位置に起用するのはなかなかできることではありません。

現在で言うところの4-3-1-2のフォーメーションとなりますが、ポイントになるのはロングパスが上手いピルロが低い位置に構えていることです。

基本的にリトリートして構え、相手を自陣深くまで引き付けたうえでボールを奪い、その奪ったボールをすぐさまピルロに渡すことからミランの攻撃は始まります。

引き付けた相手の背後には広大なスペースがありますから、ピルロがボールを持った瞬間にスタミナがあって推進力のあるシェフチェンコがタイミングよくスペースを狙う動きをします。

仮にピルロがトップ下(カカの位置)にいた場合は、相手からのプレッシャーが厳しくなりますので、そもそもボールを受けることやパスを出すことが難しくなってしまいます。

自陣深くにいるから相手からのプレッシャーも弱い、そして距離があるパスも正確に出せるピルロの技術を最大限活かすことができます。

相手がシェフチェンコの動きにばかり注意していた場合は、今度はトップ下のカカがフリーになりますから、彼にボールを渡してそのままドリブルで相手陣内まで侵入してもらうことも可能です。

そして、ゴール前ではインザーギが絶妙なタイミングでスルーパスを貰う動きをしてくれます。

基本的にピルロは守備での役割を免除されており、その代わりに両脇にいるセードルフとガットゥーゾが精力的に守備をこなしていました。

おそらくこの2人がいなければこのシステムでは守備が崩壊していたと考えられますが、選手たちの強みを理解し、それを繋ぎ合わせて最強のシステムを作り出す。

それがアンチェロッティ監督という人物です。

本当にこの人は素晴らしい監督です。

もともと好きでしたが、彼の著書である「戦術としての監督」を読んでもっと好きになりました。

まあ、本の題名と内容がまったく一致していない(というか題名が意味不明w)のにはビックリしますが、各強豪クラブを指揮していた時にどういうことを考えていたのかがよくわかる良書です。

基本的にサッカー関係の洋書は和訳がクソなことが多いんですが、この本はきっちりわかりやすく訳されていますからホントに読みやすくなっています。

とりあえずアンチェロッティ監督に興味があるなら絶対読むべき本です。

ビジネスマンとして参考になるマネジメントの考え方などもありますからね。

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