新スタジアムが完成して今勢いに乗っているチームがトッテナムです。

ポチェッティーノ監督が就任してからチームの完成度や戦術、そして選手のクオリティそのものが高いレベルの水準にあるチームになっています。

今回はそんなトッテナムの強さの秘密や戦い方、ポチェッティーノ監督の戦術について解説していきます。

先日行われたマンチェスター・シティとの試合(チャンピオンズリーグ決勝ラウンド8ファーストレグ)をもとに説明していきます。

⇒試合のデータなどはこちらです。

トッテナムの守備戦術


プレッシャーのかかるマンチェスター・シティとの厳しい戦いをきっちり勝ち抜くことができた一番の要因は、何と言ってもトッテナムの守備が非常にすばらしかったことが挙げられます。

圧倒的な攻撃力を誇るマンチェスター・シティに対して90分間無失点で抑えることができたのはホントにすごいことですし、なかなかどのチームでもできることではありません。
(ロリスのPKストップもありましたけどね)


試合が始まってからシティに対してトッテナムが取った構え方はこのような感じになります。

一列前にケインを浮かせて、ソンフンミン・アリ・エリクセンで中盤へフィルターをかけています。

相手の2CBが余裕をもってボールを保持している時には、ケインはムリに距離を詰めようとせず、味方の位置を気にしながらポジショニングを微調整する意識を持っていたようです。

ここからその1列下(アリのライン)にボールが展開された時にはみんなで一気にプレッシングをかけにいくイメージでやっていました。

大体、エリクセンやソンフンミンのエリアへボールが展開されますが、彼らはフルスプリントでボールへの距離を詰めに行くことがポチェッティーノ監督から要求されていたんでしょう。

そして、個人的にこの試合で一番効いていたと感じた選手はセンターにいたアリです。

おそらく彼を中央に持ってきたのは守備を意識してのことだと考えていますが、要所要所でボールを狩りに行く能力がホントに高く、自分達がボールを奪ってからはターゲットマンになることもできますから、シティとしては彼にあのポジションにいられるのは結構イヤだったはずです。

実際にアリがボールをつついてトッテナムにショートカウンターのチャンスを作るシーンもいくつかありましたし、僕としてはいい配置だったなって感じていますね。


それで全体的な構え方はスペース(ゾーンディフェンス)を意識してのポジショニングでしたが、各選手が自分の担当するエリアを決めていて、そこに入ってくる選手をマンマークするような守り方をやっていました。
(ゾーンとマンマークが半々みたいな)

そのため、相手のデルフが中に絞る動きをしてもそのままエリクセンがマークについていくイメージでした。

ゾーンディフェンスだとここまで中に絞ることはないですからね。
(この場合、ゾーンだとケインやアリがデルフへのパスコースを制限する感じですね)

ちなみにこのトッテナムの対応があったために前半10分以降からデルフは偽サイドバックの動きを辞めています。
(これはグアルディオラの指示ではなく、選手の判断でしょう)

そして、この変化を受けてトッテナムはエリクセンとソンフンミンのポジションをチェンジしています。
(こちらも選手の判断です)

この試合でトッテナムの脅威となっていたのはシティの左WGだったスターリングです。
(実際にPKを与えるシーンもありました)

彼にボールを持たれるとそもそも止めることが難しかったため、トッテナムとしては「どれだけスターリングへのパスを制限できるか?」ということがポイントだったのは間違いありません。

絶妙なポジショニングをしてくるシルバに対してはシソコ・ウィンクスのマンツーマンで潰せてましたし、いくらパスワークがうまいシティとはいえ、トッテナムの中央から攻撃を展開するのは相当難しかったと思いますね。

これらを踏まえたうえで、トッテナムの強みは

    ・プレッシングするところ、様子を見ながら構えるところの判断が統一されている(チームの完成度)

    ・トランジションの速さ(攻守にわたる切替の速さ)

    ・プレーの強度(全員が球際のところでしっかり戦うこと)

にあります。

新しいスタジアムの応援によって選手たちがいつも以上の力を発揮していた部分は多少あるんでしょうけど、”どちらのボールになるのか際どいところ”の勝負で引けを取らなかったことが無失点で試合を終えることができた要因でしょう。

ホントに守備の集中が高くていい試合だったと思いますね。

トッテナムの攻撃


トッテナムの攻撃の特徴は中央突破と縦への速さです。

これからそれがよくわかるプレーを解説していきます。


これはシティが放り込んできたロングボールをトッテナム側が奪ったところになります。

流石にシティの選手たちもカウンターの対応には慣れているため、それぞれの選手たちがいいポジショニングをしています。

なかなか普通のチームだとパスの出しどころに困っちゃうシチュエーションなんですが、ローズはここから中央の狭いエリアに縦パスを狙います。
(ソンフンミンのさらに先にいるアリめがけてのグラウンダーのパスです)

ボールの高さ的にもかなり勇気がいるプレー(インターセプトされると超危険だたら)だと思いますけど、このパスは見事アリに渡ることになります。


こちらがアリがボールを受けたシーンになります。

ここのポイントはサイドを駆け上がってきているシソコの動きになりますね。

シソコは先ほどのシーンから大急ぎで黄色丸のスペースを狙う動きをやってくれています。

動き方に迷いがなかったため、帰陣しているウォーカーより先にスペースへ侵入することに成功しています。

おそらくアリにパスが通ったことを確認してからの動きだったら、シソコよりウォーカーの方が速くこのスペースを埋めていたはずです。

これは味方のプレーを信じることやチームの攻撃としての連携、そして自分の判断に迷わないっていう要素がどれだけ大事なことなのかを教えてくれるプレーになりますね。
(ケインは基本に忠実にゴール前のスペースを狙う動きをすることで、オタメンディを引き付けています)


最終的にこのような形で敵陣深くまでボールを運ぶことに成功しています。

ここからシソコはアリにマイナスのクロスを送って、そのボールをアリがボレーシュートします。
(シュートは枠を捉えることができずに外れましたが、入ってたらスーパーゴールでした)

脅威的なのはローズがパスを出してから、シソコがクロスを上げるまでの時間がたったの”7秒”だったことです。

パススピードもさることながら、選手たちの攻撃の判断の速さや視野の広さなどが非常に高いレベルにあることがよくわかります。

ホントにポチェッティーノ監督はいいチームを作りました。

プレミアのビッグ6の中では資金的な強さはあまり感じないトッテナムですが、毎シーズンCL出場権を獲得していることにも納得できます。

ポチェッティーノ監督が今後どれだけトッテナムを率いることになるのかはわかりませんが、プレミアリーグ制覇やビッグイヤー獲得の可能性を秘めていることだけは間違いありません。

これからのトッテナムの活躍に期待しましょう。

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